建築設備士の第二次試験で、必須問題はとにかく覚える量が多い。しかも、覚えたつもりでも数日で抜けていく——。私は一度二次で落ちていて、この「覚えても定着しない」に一番苦しみました。この記事は、根性で詰め込む話ではなく、働きながらでも記憶に残る「暗記の回し方」の整理です。
※学習法は人によって合う合わないがあります。出題範囲や形式は、必ず公益財団法人 建築技術教育普及センターの公表情報でご確認ください。ここでは覚え方の「やり方」だけを扱います。
大原則:「眺める」をやめて「思い出す」
暗記でいちばん効率が悪いのは、テキストや答えを「眺めて覚えた気になる」こと。記憶は、見た回数ではなく「思い出そうとした回数」で定着します。これはアクティブリコール(想起練習)と呼ばれる、効果がはっきりしている方法です。だから勉強の中心を、読む時間から「自分で答えを引き出す時間」に置き換える。これが土台です。
① 問題を見て、答えを声に出して再現する
やり方はシンプルです。問題(または用語)だけを見て、答えを声に出して言う。言えなければすぐ答えを確認し、また問題に戻ってもう一度言う。この「思い出そうとして、出てこなくて、確認する」という5秒の手間こそが記憶を作ります。黙読より、声に出す方が抜けに気づきやすい。本番は書く試験ですが、覚える段階では口頭の方が速く回せます。
② 間違えたものだけ、間隔をあけて戻る
全部を毎回やり直すのは時間の無駄です。言えたものは間隔をあけ、言えなかったものだけ翌日・3日後・1週間後ともう一度。これが分散学習(間隔反復)です。忘れかけた頃に思い出すと、いちばん強く定着します。「できた/できない」を毎回その場で仕分けして、できないものに時間を寄せる。これだけで効率が大きく変わります。
③ 隙間時間を暗記の主戦場にする
働きながらだと、まとまった時間はそう取れません。だから暗記は「机に向かう勉強」から切り離して、隙間時間に回すのが現実的です。問題と答えをカード化(紙でもアプリでも)しておけば、移動・待ち時間・ちょっとした空きで「問題を見て思い出す」が回せます。暗記は数分の積み重ねで伸びる分野なので、隙間との相性が抜群です。まとまった時間は、製図や記述の練習に回しましょう。
④ 完璧主義を捨てて「何周も回す」
1問を完璧にしてから次へ、では最後まで終わりません。1周の完璧さより、ざっくりでも何周も回す方が定着します。1周目は「言えた/言えない」を仕分けるだけでいい。2周目、3周目と回すうちに、自然と言えるものが増えていきます。「まだ覚えていない自分」を責めないこと。回数を重ねれば必ず減っていく、という前提で淡々と回すのがコツです。
⑤ 直前ではなく、早くから毎日少しずつ
暗記は直前の詰め込みでは量に追いつきません。1日10分でも、早くから毎日積む方が、結局は楽に終わります。毎日触れること自体が間隔反復になり、忘れる前に思い出す回数が増えるからです。何から始めるか迷っている人は、一次合格後、二次は何から手をつける?もあわせてどうぞ。
やってはいけない暗記
- 答えを眺めて覚えた気になる:思い出す練習にならない。隠して言う。
- 毎回1問目から全部やり直す:できる問題に時間を使いすぎ。できないものに寄せる。
- 1問を完璧にしてから次へ:終わらない。まず何周も回す。
- 直前にまとめて詰め込む:量に負ける。早くから毎日少しずつ。
まとめ
- 「眺める」をやめ、答えを声に出して「思い出す」(アクティブリコール)
- 言えなかったものだけ、翌日・3日後・1週間後に戻る(分散学習)
- カード化して隙間時間を暗記の主戦場にする
- 完璧より何周も回す。早くから毎日少しずつ
必須問題の暗記は、才能ではなく「回し方」で差がつきます。やり方を変えるだけで、同じ時間でも残る量が変わります。二次全体の進め方は建築設備士 第二次試験の独学ガイドにまとめています。一緒に、覚え切って合格を取りにいきましょう。

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