建築設備士の第二次試験(設計製図)で、いちばん多い失点の理由は「描き切れずに未完で終わる」ことだと感じます。実力が足りないのではなく、時間配分で崩れる。私は一度二次で落ちていて、まさにここで時間を溶かしました。この記事では、本番で最後まで描き切るための時間配分の組み立て方を、型で整理します。
※試験時間や課題の形式は年度で変わり得ます。正確な試験時間・出題条件は、必ず公益財団法人 建築技術教育普及センターの公表情報でご確認ください。ここでは分数そのものより「割合と順番」の考え方を扱います。
大原則:製図は「描く速さ」より「配分」で決まる
製図でいちばんもったいないのは、うまく描けるのに最後まで届かないこと。採点は描き切れた範囲で行われるので、「8割の完成度で全部埋める」方が「完璧な半分」より強い。だから本番でまず考えるのは、線をきれいに引くことではなく、持ち時間をどう割り振るかです。速さは練習で上げる。本番で効くのは配分の設計です。
時間を3つのブロックに割る
試験時間を、ざっくり「読み取り・計画」「作図」「見直し」の3ブロックに分けて考えます。割合の目安はこんなイメージです(自分の手の速さに合わせて調整してください)。
- 読み取り・計画:全体の約2割。条件を読み、何をどこに描くかの方針を決める。
- 作図:全体の約7割。優先順位の高い要素から手を動かす。
- 見直し:全体の約1割。記入漏れ・凡例・指定条件の取りこぼしを潰す。
大事なのはこの3つを「時刻」で決めておくこと。「何時何分になったら、できていなくても次へ進む」と先に決めておくと、1か所で沼っても全体が崩れません。
① 焦って描き始めない(最初の読み取りが命)
本番は緊張で、ついすぐ線を引きたくなる。でもここで条件を読み違えると、後半でまるごと描き直しになり、いちばん時間を失います。最初のブロックでは、指定条件・与えられた数値・描くべき範囲に印をつけ、配置の方針をざっと決める。手を止めるこの数分が、後半の手戻りを防ぎます。急がば回れが、ここでは本当に効きます。
② 作図は「点になる要素」から先に埋める
作図ブロックでは、配点や採点で見られやすい主要な要素から先に描く。細部の見栄えは後回しでいい。順番の考え方は「全体の骨格 → 必須の記入要素 → 細部・仕上げ」。こうすると、もし時間が足りなくなっても、点になる部分は残せます。逆に細部から凝ると、肝心の要素が空欄のまま時間切れになりがちです。完璧を狙わず、まず全体を成立させる。
③ 見直し時間を「必ず」残す
最後の1割は、何があっても見直しに残すと決めておきます。製図の失点は、実は「描けなかった」より「書いたつもりの記入漏れ」が多い。凡例、寸法や数値の記入、指定された条件への対応——ここを最後に一通りチェックするだけで、取りこぼしをかなり防げます。時間ぎりぎりまで描き続けて見直しゼロ、が一番危険です。
練習で「自分の配分」を作っておく
本番の時間配分は、練習で自分の手の速さを測って初めて決まります。普段からストップウォッチを使い、「読み取りに何分」「この図を描くのに何分」を記録しておく。そうすると、本番で「いま何分押している」が体感で分かるようになります。通しで1枚を時間内に描く練習を、直前だけでなく早めから繰り返しておくのが効きます。製図を後回しにしない理由は二次は何から手をつける?でも触れています。
やってはいけない時間の使い方
- 清書・線のきれいさにこだわる:採点は完成範囲。見栄えより完成を優先。
- 1か所で沼る:決めた時刻が来たら、未完でも次へ進む。
- 見直し時間を作図に食われる:最後の1割は死守する。
- 本番で初めて時間を計る:配分は練習で先に作っておく。
まとめ
- 製図は描く速さより「配分」で決まる。完璧な半分より、8割で全部埋める。
- 時間を「読み取り2割/作図7割/見直し1割」に割り、時刻で区切る。
- ①焦って描き始めず読み取りを丁寧に ②点になる要素から埋める ③見直しを必ず残す。
- 本番の配分は、練習でストップウォッチを使って自分の速さから作る。
製図は「描ける/描けない」だけでなく、「時間内に成立させられるか」の勝負です。配分さえ決まれば、同じ実力でも結果は変わります。二次全体の進め方は建築設備士 第二次試験の独学ガイドにまとめています。一緒に、最後まで描き切って合格を取りにいきましょう。

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